by テキサスひらめ カテゴリ
全体 Texas/Austin Austin日本人会 Austinで食べる Texasの女 家族&Americanオヤジ Geekとの結婚・婚活 ART 読む書く トホホの英語と語学一般 テキサス大学芸術学部 UOオレゴン大学 TUMミュンヘン工科大学 USNA米国海軍大学 政治・教育 Covid-19コロナウィルス 旅 フットボール 悲喜叫興の日々 Ohio/Dublin/Columbus シンガポール滞在記 ミュンヘン孫守り記 シカゴ探検 未分類 最新の記事
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 more... フォロー中のブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
タグ
家族(177)
アメリカ社会(175) Austin 界隈・イベント(131) 旅(91) 英語、その他語学一般(66) 私の大学生活(62) Food(59) 政治(54) 子育て(48) 美容・健康(44) カロリー計算によるダイエット(40) 映画・TV(39) 本(39) スポーツ(37) Americanオヤジ(34) 教育(22) Art(22) ファッション(20) Austinレストラン(18) Startup(18) 断捨離(12) シンガポール(10) Austinとも子の会(9) アメリカ版人生相談(8) アメリカ大学(7) #コロナウィルス(6) Covid-19(4) テキサス大学(4) 詐欺(3) トップ1%(3) ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
この年末はどこにも行かなかった。その代わり、よく映画を見た。”Social Network" ”Morning Glory"などは、面白かった、可愛かった、というような一言の感想で済む。正確に言えばSoical Networkは予想していたよりずっと面白かった、と二言の感想。
"King's Speech"は正統派の人を感動させるタイプの名作映画で終わったあとに、ひたひたと心が満たされるような映画。淀川長治が復活して「いいですね、ジョージ六世を演じたコリン・ファース。子供時代のいじめから立ち直れずに、吃音症に悩み、兄貴の影のようになっていた人が吃音を克服していくその過程を、王様というより一人の人間としていい味で表現してますよ。それに、もっといいのが、あのエリザベス女王のお母様役をやった、ヘレナ・ボナムカーター、上品ですねえ~、運命のいたずらで王様にさせられてしまった、ひ弱な夫を支えるウィットに満ちた役を素晴らしくこなしていますよ」とか、なんとか言うかも。 今まで、ずっと女性があこがれるMr.Darcyや、Darcy的な役ばかりをしていたコリン・ファースは、この役ではすっかり吃音に苦しむジョージ六世になりきっていた。本来は王様になる筈の長男ののエドワードが「俺、愛する人と結婚する。王様役は降りる」とアメリカ人のシンプソン婦人と結婚してしまったので、弟のアルバートは「吃音(Stammer)の俺が、何で王様なんかにならなくちゃいけないんだ」と嫌々ながらジョージ六世になったようだ、映画によると。スピーチの練習を父親のジョージ五世にさせられて「もう、しょうがないなあ」とこっぴどく叱られて、おどおどしながら下がるシーンは痛々しい。 様々な吃音矯正の権威に助けを借りたものの、全く好転しないので、妻がドラスティックな方法として全く学術的・医学的資格や免許を持たない、オーストラリア人のボイストレーナーを探してくる。彼は、王様を全権者として扱わず、むしろ、悩み多い一人の人間として吃音が何からくるのかを探っていく。無理やりに左利きから右利きにさせられたこと、乳母にいじめられたことなど、子供時代に受けた様々なできごとが彼の心の中で結晶化されて、自信のない人間に仕立て上げられてしまったことを知る。その心理療法的なやり取りは王様にとってもあまりに辛く、「君は自分を何様だと思っているのだ」というように、セラピーの役を辞めさせてしまう。 それでも、私のMr. Darcyじゃない、コリン・ファースじゃない、ジョージ六世はそこから立ち直って、セラピストの下に戻り、第二次世界大戦の際に国民の心を一つに束ねるようなラジオ放送ができるまでになる。 コリン・ファースは映画の中で、全くコリン・ファースであるということを思い出させなかった。聞いていて痛々しいまでの吃音はジョージ六世のそのものであった。メリル・ストリープが「ソフィーの選択」の中で、ポーランド訛りの英語を素晴らしく話していたが、言葉の上で言えば、それに次ぐ説得性があったと思う。 ところで、この映画を見て初めてシンプソン婦人とエドワード、エリザベス女王の関係がはっきりした。伯父さんのエドワードがごく普通の王様になっていたら、今の女王はなかったかもしれない。ハリウッド的に言えばエドワードとシンプソン婦人は「王冠をかけた恋」をした。ポイントは彼女が離婚経験者だったからだ。宗教的にそういう相手を国王の妻として正式に認めるわけにはいかなかった。それから半世紀が過ぎると、普通の人たちと同じくイギリス王室は離婚者だらけになってしまったけれども。
by tomokoh9T
| 2011-01-07 14:25
| ART
|
ファン申請 |
||