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アパートの駐車場に黄色いスクールバスが停まって小学生が次々に降りてくる。この黄色いバスはアメリカのどこに行こうと同じ色をしている。星条旗と同じくらいアメリカのシンボルと言っても良い。そう思ってバスの色を調べたら、これは National School Bus Glossy Yellow という指定された色で、研究された目に付きやすい色だという。 マクドナルドのMが変わらないように、スクールバスの黄色も変わることはないだろう、たとえ形が変わったとしても。そんな黄色いバスを見ながら今は遠くに住んでいる3人の子供時代を思い出していた。 長女が5歳でキンダー(小学校はキンダーから5年生まで)に行き始めた時、長男は3歳、次男は1歳、どこに行くにも団子のようにくっついていた。出張が多く、また、家にいたとしても朝に弱い夫を起こして男の子を見ていてもらうのは気の毒で、やっぱり団子のように3人をくっ付けて毎朝バス停に歩いて長女を見送りに行った。 学校まで車で送って行く方がずっと楽なのに、500メートルくらいを歩こうと決めた理由は思い出せない。学校に行くのには黄色いスクールバスに乗るものだ、という固定観念が子供にも私にもあったのかもしれない。その頃、無我夢中だった私は学校区のバス輸送の部署に 「バス停まで遠すぎるので家の近にバスが止まるようにしてください」 と頼み方も知らなかった。 ところが、ある日、バスの運転手が気の毒がってくれて、 「僕があなたの家のところで止まれるように聞いてみます」 と言ってくれて、そういうことが可能なのかと驚いた。それ以来、我が家のドライブウェイのそばにスクルールバスが停まるようになった。そして、この時にアメリカで暮らしていく上で必要な諺、 The squeaky wheel gets the grease. を覚えた。「きしむ車輪は油をさしてもらえる」(大きな声で)声をあげれば注意をひくことができて、問題解決もしてもらえる。つまり、黙っていては何もしてもらえない、という事ですね。闇雲に声を上げるより、タイミングと相応しい相手を見つける技術を徐々に習って行った。 この優しいドライバーは社会的には決して尊敬される地位にいたわけではないけれど、子供たちにとっては頼もしい大人だった。私はCooper's Adventures, Escape to Austinの絵本を作った時にも、彼のことを思いながら絵を描いた。
by tomokoh9T
| 2016-09-17 17:21
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