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「誰か子供を作れそうな人はいないかなあ、結婚しなくてもいいから」と、行き遅れの、今で言うアラサーの私に母はとんでもない事を言った。私の見ていない所で、ご先祖様を総動員して願ったのかもしれない。その結果、私は彼女の望み以上の3人の子供を作っただけでなく、結婚までしてしまったのだ、35才の時に。娘の結婚相手の年下のアメリカ人に会った後に母は大泣きをした、とつい最近姉から聞いた。
2013年の10月現在、言った本人は私が誰か、何人の子供を持っているかも思い出す事は最早できず、スピリチャルな魂の会話しかできない。 アラカン(カンのラインを超えた)になってしまった私は、記憶のダウンロードに時間がかかるようになった。母とは沢山のいい思い出がある筈なのに、不思議とこの余り美しくないやり取りが思い出される。母の、ため息のような言葉の前に、私は彼女を悲しませるような「私は一人で大丈夫。野垂れ死にしても、それは私が選んだことだから誰の責任でもない」なんて強がりを言った筈だ。 この頃大分変わってきたけれども、内向的な亭主殿は立食パーティーで端っこに黙って立っているような人だ。超まじめで正直で、正直過ぎて損をするような人。理数系に強く語学の才能があって何でも知っている。ゴシップは私の方が10倍くらい強いけれども、ビジネス界のゴシップはよく知っている。早食い。「銀座の恋」を上手にカラオケで歌って、何時間も会話をすることを厭わない(相手の方がどうだかは別として)。娘は私より20倍くらい優しくて、理数系に強く3カ国語を操って仕事をしている。二人の息子は体力があって、頼もしい。重い私をバレエダンサーのように持ち上げられるかも。 今は、しみじみと(ババくさい?)家族と兄弟の強い繋がりを有り難いと思う。それに加えて仲の良い友達がいることが嬉しい。今は元気で仕事に恋愛に夢中のアラサー、アラフォーの皆さん、子供を持つ事をわすれないでネと皆様のオカーさんに成り代わって言いますヨ。 #
by tomokoh9T
| 2013-10-23 21:47
| 悲喜叫興の日々
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「無事に着いた? よかった。ともちゃんが帰った後、おばあちゃん、すぐに治療を始めたみたい。きっと、ともちゃんの顔をみて安心したんだねえ」と、ジョージおじちゃんが電話の向こうで言いました。洋子おばちゃんはお茶のお稽古に行ったそうです。
おじちゃんは「治療」と言いましたけれども、悪いところを治すのではなくて、痛みを薬によって和らげて安らかな時間を過ごしてもらうことです。そういう段階に入ったのでしょう。えりちゃん、私は本当に良い時期におばあちゃんに会うことができました。10月9日から10月19日までのできごとを遡って記録しておきますね。 #
by tomokoh9T
| 2013-10-19 21:00
| 悲喜叫興の日々
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結婚して渡米して以来、帰国する度に親の顔を見るのも、これが最後かもしれないと思いながら27年、今度ばかりは本当に最後だと覚悟しました。
午後3時頃、のりこおばさん、洋子おばちゃんと一緒のお見舞いです。部屋にいないので、職員さんに聞くと、外で運動会に参加(?)しているとの事でした。広い駐車場には、ほぼ全員のクライアントが椅子か、車椅子に座って、紙の花を頭に付けて(付けられて)、はちまきもしていました。おばあちゃんは赤いはちまきに赤いTシャツ姿。イベント好きのおばあちゃんが部屋に一人で残っていないのは当然です。私も職員さんに言われて、チアリーダーのようにポンポンを振って赤組の応援をしました。 おばあちゃんは体を真っすぐにして座っている事ができずに、すぐに傾いてしまいます。髪の毛が白くなった人々が、声援するでもなく、笑うでもなく感情を表現しないまま並んでいました。まだ、動くことのできるクライアントは職員さんに支えられて、綱引きをしたり玉入れを楽しんでいました。若い体育系の職員さん(全部で50人くらい)たちは綱引きの対抗戦で、熱く燃え上がって、 「ストップしてください、危ないですから、そこで止めてください」とアナウンスが繰り返されるまで、引っぱり合っていました。皆若い、素晴らしい〜 おばあちゃんとの会話では、 「おもしろい?」「わからない」 「寒くない?」「わからない」と、「わからない」ばかりが続きました。一時間くらいして、風が冷たくなってきたので、中に連れて行ってもらうことにしました。 ヨーグルトとお茶のおやつをいただいてから、部屋に行くと、 「私の肩につかまって下さい。ベッドに移りますよ〜」と、職員さんがおばあちゃんの手を取って、自分の肩に持っていきました。一、二の三で曲がった体を伸ばされたおばあちゃんは、 「お〜お、痛っ!!」と声を立てて、更に、 「どこに掴まっていいか分からない」と、ベッドに下ろされた時に言いました。私はすぐに、おばあちゃんの手を片方の手で握って、もう片方の手を頭と額のところに起きました。洋子おばちゃんと、のりこおばさんが足と腰、それに背中を摩ってあげました。 「静かに休んでね」と声をかけたら目を閉じていましたが、後で考えたら静かにしているよりも、歌でも歌ってあげた方がよかったかなあと思いました。お部屋には誰もいなかったし。ベッドが小さいから無理だけれども、できれば抱っこしてあげたら喜んだかも。どうだろうか。 「また、来るからね」と皆で言ったけれども、私はこのお見舞いが本当に最後となりました。幸い、おばあちゃんには私がどこに行ってしまうのかも分からなかったでしょう。体を胎児の形に曲げて寝ているおばあちゃんは目に見えない優しい膜のようなもので包まれていると思えました。 #
by tomokoh9T
| 2013-10-17 23:00
| 悲喜叫興の日々
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台風26号は大島に死者を含む大きな被害を残して、16日の午前中には関東地方を去りました。午後にはくっきりと青空が広がったので、のりこおばさん、洋子おばちゃんと三人でお見舞いに出かけました。おばあちゃんは部屋で静かに寝ていました。
「痛いところがある?だるいところがある?」と訊くとふくらはぎを触るので、皆で足、脚、背中、頭を撫でてやりました。手も足も何もかも悲しい程に細く薄くなっていて、もう歩くことのない足の裏は赤ん坊のそれのように薄くて桜色をしています。いつもはベッドのレールを握っているのに、この日は両手を胸のところで組んでいました。 「お母さん、ごはんを一杯食べてね。食べないと力が入んないからね。食べれば又、元気が出るかんね」と洋子おばちゃんが力強く声をかけました。彼女の声はおばあちゃんの耳の奥まで届いている筈です。 #
by tomokoh9T
| 2013-10-16 23:00
| 悲喜叫興の日々
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お昼ごはんの後、さちえおばさんと一緒におばあちゃんに会いに行きました。さきくさに到着すると、看護婦婦長さんが出てきてくださったので、挨拶をした後、最近の医療のトレンドなどを話しました。
「患者さんの延命を図る」が医療サイドの黄金の掟で、それに従ってずっとやってきたけれども、最近は「患者さんにとってベスト」の方法を取ろうという考え方に変わってきたそうです。例えば、おばあちゃんのような終末ステージにいる患者さんに点滴をするのはどうだろうか。今までは、疑問の余地なく弱ってきた患者さんに点滴をしただろうと思います。 点滴は水分補給の効果はあるけれども、それ以上の効果は期待できない。 チューブで栄養補給をすることも可能だけれど、延命と同時に、癌細胞も活性化させてしまって、"Quality of Life"向上の効果はない。 と説明をされました。 「私たち兄弟は既に、痛みが出たらそれを薬に依ってコントロールしながら、樹木が枯れて行くように自然に任せることで意見が一致しています。点滴をされて余分な水分を体に補給されるのはとても苦しい事なのだと本で読みました」と、婦長さんに言うと、 「それは何よりです。しばしば兄弟間で考え方が一致しないで、治療を施す側で困惑することも多いのです」と彼女は話しました。 部屋で休んでいる筈のおばあちゃんは、皆の集まるテーブルで絵本を読んでいました。本当にびっくり。桜色に染まった山々を象、たぬき、うさぎなどの動物がリュックを背負ってハイキングする話です。 「きれいな色だね」と言うと、指をさしながら頷いていました。 誰一人として話す人も、声を立てる人もなく、そこにいる人全員が、ただ黙って車いすに腰掛けていました。 この日、大きな台風が日本全国を襲うと予報されていました。 #
by tomokoh9T
| 2013-10-15 23:00
| 悲喜叫興の日々
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