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オースティンに住む私は、ドイツにいる長女エリカ(24歳)と長いSkypeをした。
夏にミュンヘン工科大学を卒業して、コンピューター制御のオートメーションシステムの会社で働くことになっている、とずっと聞いていた。もう夏はやって来て、彼女は就職先のその会社の本社を何度も訪れている。フランクフルトとハノーバーの中間に位置する小さな町にあるらしい。実際のところ、彼女が卒業したのか、大学院の論文を書き終えたのか、それとも、就職先で論文を書きながら働くのか、今ひとつはっきりしない。はっきりしないが、それは彼女の問題だ。はっきりしているのは、彼女は就職先からお給料を貰い、私たちは送金をする必要がなくなった、ということだ。 大学はミュンヘンで、インターンシップはニュールンベルグでだった。インターンシップが終わったら、そのまま、その支社で働くか、それとも本社がいいかと言うような話をした時に、「本社の人や組織をインターンのうちに探って、良さそうなら絶対本社を私は勧める」というような会話をしたけれども、それ以上の話はしていない。彼女が決めることだ。 2005年、彼女がテキサス大学の機械工学に入学した時には、このような将来が待っていようとは誰が予測できただろうか。受かっていたニューヨーク大学は学費が法外に高く、奨学金を出してくれたLewis &Clarkは、学校にいるうちは楽しいかもしれないけれど、その後どうする?というような展開が予想できて、結局、彼女は奨学金つきのテキサス大学に入ることを決めた。「高校で、あの人はコーネル、あの人はイェール、スタンフォード」などという声を聞くと、本当に惨めで、二人で慰め合いの日々が続いた。その年齢では、「何を勉強したい」と言うことより、「どこ(どこの大学)に行くか」の方がもっと大切らしかった。親にお金が無くて、子供が惨めな思いをしているのを見ると、親はもっと惨めになるのだった。 大学の3年目を交換留学でミュンヘン工科大学に行くと、そこが気に入って、あっさりと転校してしてしまった。機械工学ながら、物流、安全性など、人間の思考や行動に関わりあう分野を見つけたことが幸いした、それに彼女はドイツ語に不自由しない。テキサス大学のUndergradでは、従来の理数、物理に特化して、はっきりいってやっていることが「つまらなかった(難しくて、基本の理論ばかり)」。学術的に比較すると、テキサス大学の方が強いかもしれないけれど、フットボールで大騒ぎするような人はいないし、それに何より、学費がただに近く、アドバイザーの教授がインターンシップの会社を紹介してくれて、就活する必要も無かった。 子供が自分で山を乗り越えているのを見て、私自身は大喜びするというより、安らかな気持ちになるのだった。 2004年のAsahi Comに私はアメリカの高校生の大変さを投書している。 皆と同じになりたい 「アメリカは個性を発揮できるところで、また、発揮できるような個性がないと存在を認めてもらえない」と思われがちだが、「個性」とは、時期と場所によって「弧性」となってしまう。 このところ高校生の娘に毎日のように泣かれている、泣く理由は日替わりメニューのように替わるのだが、よくよく話を聞いてみると「皆と同じになりたい、同じになってその中でクールだと認められたい。皆のように友達をたくさん持って楽しく高校生活を送りたい」ということのようだ。実はこの「皆」というのがあやふやで曲者なのだが。「ドイツ語のコンテストで優勝したって、日本語ができたって、クラブチームのラクロスでゴールをいれたってだめなんだ、誰も認めてくれない。チアリーダーとか、サッカーとか、小さい頃から皆と同じ事をしてこなかったから仲間に入れてもらえない。教会にも行っていない。皆のように格好いい車ももっていない」と、はらはらと涙を流すのである。 彼女の父方の祖父は高校時代、退屈な学校を抜け出しては博物館巡りをしていたらしい。当時は学校もうるさくなく、何の問題にもならなかった。そして後にMITに進んだ。父親もカリフォルニアの高校を早く切り上げドイツに行った。彼女が居場所を見つけられないのは、DNAに刷り込まれているからかもしれない。 本当のところ、彼女も今の環境から抜け出したいのだが、学校を取り巻く環境は父親の頃とはくらべものにならないくらいキツイ。それに変な英語を話す母親も始末が悪い。できたら隠しておきたいくらいだが、さすがにそれは気がとがめて言えない。こんなところじゃないだろうか。人と違うことがプラスの持ち味として評価してもらえるだろう大学まであと1年ちょっと。「がんばれ、がんばれ」と心の中で応援している。 この時点から7年の歳月が過ぎた。
by tomokoh9T
| 2011-07-06 11:31
| TUMミュンヘン工科大学
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