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1月2日にオースティンに帰ってきた。
今回のシンガポールは25日間、ホテルに滞在した。Clarke Quayの橋の傍、川を見下ろせる、とても眺めが良い部屋を与えられ、旅人としては最高だった。長い滞在にも関わらず、朝食バッフェに始まって自分で調理をするということは一切無く、バッフェで何を食べるかと、どこのレストランに行って何を食べるか、何をするかを決めるだけの日々だった。 今もそうなのか分からないが、小説家などがホテルに逗留して出版社のプレッシャーの下、原稿の升目を埋めて行くというライフスタイルが想像できた。 「煩わしい事は考えなくていいです、執筆だけに集中できるようにしましたからね」という状況。 或は、一切を面倒みてもらう引退暮らし。もう、何も心配する事はないので悠々と自分の好きな事だけすればいいですよ、と言った快適な暮らし。デイヴの父親がそういう場所で亡くなる前の数年を過ごした。食べる事、リクリエーション、一切合切が提供されて本人たちに要求されたのは、数あるオプションから選択することだけだった。 初めの一週間は有り難くそういう時間を楽しませてもらった。意地汚く、朝一からお皿に山のように食べ物を取って、残しちゃもったいないとお腹に詰め込んだ。デイヴが朝、7時にタクシーに乗って仕事にでかけて行くと、私は部屋のネスプレッソでコーヒーを用意して、ベランダで新聞を読むか、雨の日には部屋にこもって何かを読むか、メールを処理したり、エクスペンスリポートをしたり。 お昼になると、近くのセントラル、チャイナタウンに歩いて何か見つけて食べる。そして、博物館に出かけたり、ショッピングセンターに買い物に出かけたり(出かけても買う物が見つからない)。夕方6時半にデイヴが帰ってくると、レストランに出かける、という生活を繰り返した。 時間はたっぷりあったのだから、計画していたプロジェクトを進める、エクスペンスリポートや会計を即座に済ませてしまう事もできた筈である。ところが、何かが違う。集中できない。新聞を読んでいると、ルームメイドが来て、部屋を掃除すると言うのでノートブックを持ってロビーにでかけ、そこでメールをチェックする。部屋に戻り、何か読んでいると、洗濯物を届けに誰かが入ってくる。気晴らしに外に出て行く、Facebookをやる、等々、落ち着かない。 手にした時間を上手に使えず、頭が衰えて行くような、そんな気がした。誰かのために料理する、様々な請求書をチェックして支払う、人と会うなどの事をする必要がなくて、何から何迄丸抱えで面倒を見てもらうのは2週間くらいがいいところかな、と思えた。変化のない日常生活にどっぷり浸かっている時には、この鎖のようなスケジュール化された活動から逃れたいと望むのに、いざ、そういう状況が与えられると枠組みが欲しくなる。私のような普通の人間には些末な事の繰り返しが精神を安定させるのに必要なのかもしれない。
by tomokoh9T
| 2015-01-04 15:47
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Comments(2)
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さくとも
at 2015-01-11 02:17
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明けましておめでとうございます。シンガポールにいってらしたんですね!私はインドに行っていて、昨日オースティンに戻ってきました。これを読んで、とっても共感しました。私もインド滞在の3週間、料理は義母が、家事はサーバントがしてくれて、すっかりボケてしまいました。今はオースティンの寒さに体がショックを受けていますが、早く気持ちを立て直して新学期に備えたいと思います!それでは、今年もよろしくお願いします。
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tomokoh9T at 2015-01-12 15:45
お帰りなさい、さくともさん。こちらこそ今年も宜しくお願いします。
写真を沢山拝見しましたよ。そうちゃんもインド側のご親戚と楽しい時間を過ごしてよかったですね。もう後一週間で学校が始まるのかしら。旅の疲れが出ませんように。そして、お互いテンポを元に戻して新しい年のスタートとしましょう〜
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